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サリーハウス☆ことばのボタン cutysally.exblog.jp

暮らしの中でできる「ヨガと体操のクラス」を、小さなおうちでやっております。東日本大震災のあとに生まれました。


by loveiysally-4970

蘇る宝石


本を読み 蘇る景色


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アラフォーサリー、知らないことだらけ。
のびしろ、ばつぐん!
 

岩手の山奥、茅葺き屋根の大きな家。
うらの池にはたくさんの鯉がいて、深さを思うとゾッとした。
犬も猫も、鶏も蜂もいた。

山々が目の前に広がり、おじいちゃんがおばあちゃんを呼ぶ声がこだました。
「ががや~!!」
それが、おばあちゃんの呼び名。不思議だった。

牛やヤギがいて、乳しぼり。
温めるとまくができて、苦手だった。
子牛が生まれる時、子どもたちで名まえを考える会議をした。
囲炉裏があった。黒板も。
水は湧き水で、スイカやトマト、キュウリが水槽に浮いて冷えていた。

屋根裏みたいな部屋に、蚕(カイコ)がいて繭をつくる。
繭をそのまま茹でる事実を知り、幼心に震えあがった。
蚕が、かわそうだ…

たばこの葉っぱを、育てていたっけ。
縄にその葉を、表・裏・表・裏とはさんでいくのが好きだった。
「サリーちゃん、上手だね。」
おじいちゃんが褒めてくれて、本当にうれしかった。
ゴザが、チクチクした。

山の畑で、悠然と進む大蛇を見て足がすくんだ。
飛んでくるアブにパンチされ、どんくさい。
蚊帳の中は、安全でほっとした。

鬼ヤンマの、堂々とした姿。
神様トンボは、糸のようで静かな飛行が光るよう。
田んぼの脇に、赤い小さなカニがいた。

冬は、畑でそり滑り、あぜ道がジャンプ台。
湯気が出るほど、何度もすべった。
おじいちゃんが竹を焼いてカーブをつけ、竹スキーを作ってくれた。

トイレは、外で怖かった。
落ちないように、息をとめて前だけを見つめた。

釜戸にまきをくべ、子どもたちでラーメンを作った。
火は燃え上がり、ラーメンはこれ以上ない程のびのび。

お風呂も外。バトンのように子どもたちが次々にだっこされ入れられた。
まきで沸かす、おばあちゃんの背中がまるい。お湯が熱かった。

餅をついた。餅がごちそうなのだ。
くるみをトンカチでわり、ほじくるのが子どもたちの仕事。
餅の種類はたくさんあったけれども、くるみ餅が一番好きだ。

お花畑があった。おばあちゃんが花好きだった。
大きな蝶が、風にゆれる動きは瞬間移動のよう。


幼いころの夏休み・冬休みは、岩手の母の実家に長期滞在した。
父は母の実家で大切にされ、餅ばかりたべていた。

年の近いいとこたちも来て、にぎやかだった。
5+3=8人の子どもたち。
小6で亡くなった妹のさやかちゃんも、元気に遊んでいる。

親戚の集まりは、好きじゃなかった。

自然の怖さや強さに震えた。
仙台の子どもは、都会っ子あつかいだった。

内向的だったわたしは、出来れば行きたくなかった。


なのに、今…

こんなにも、美しい季節の風景が蘇る。
心の宝箱に、知らぬ間に宝石をつめて貰っていたのか。

両親に感謝する。今頃だけど。




※幼いころの記憶なので、時系列はごちゃまぜ。
空想も、入ってるかも(笑)







by loveiysally-4970 | 2018-07-09 06:32 | 体験からの気づき | Comments(0)