ジョナサン
亡くなった父は脳梗塞で、重度の失語症になりました。倒れた直後は、「あーーうーー」としか言えませんでしたが、言語療法の訓練を繰り返し、かなり変化しました。
症状は、例えば「りんご」と言っているつもりでも、「みかん」と発音してしまう。父にとっては、私たちの話す言葉は、どうやら見知らぬ外国語のように聞こえ理解ができない。など・・・
これは、本人、そして家族にとっても、跳び越えるハードルは、かなり高いものでした。
母は、あらゆるものに助けを求めました。西洋医学、東洋医学、健康食品、宗教・・・父を連れ、内戦報道があったスリランカに、アーユルヴェーダ療法を受けにもいきました。もっとできる!もっとよくなる!!と必死だったのだと思います。
そんな試行錯誤の日々の中で、ある時、共に暮らしていた私の幼い子どもたちの姿が目に留まりました。みるくちゃんが、右半身マヒでもある父が転ばないように、床に落ちているものを拾っていました。
当時3歳のたけのこ君も、父のために、ゆっくり発音したり、父が「牛乳!」と言ったのに、テレビのリモコンを持ってきて渡していたのです。それは、言葉の奥にある想いを感じ、父が本当は何を欲しかったのかを自然に察している姿でした。
私は、全身にビリビリっと電気が走り、内側から大きな感動が湧き上がってきました。その日の夕食の席で、私は心から母に話しました。お父さんが障害者になってくれたおかげで、どれほどの贈り物をもらったか。幼い子どもたちがこんなに優しく、心の目が育っているのは、お父さんのおかげだと、あふれる想いを伝えました。
突然、隣にいた父が、わぁっと泣き出したのを、今でも覚えています。普段はわからないはずの会話なのに、
「おとうさん、わかってくれたの?」
と、私が聞くと、
「わかった!」「わかった!」
と泣きながらこたえてくれました。
それからは、どんどん家の中の空気が軽くなりました。子どもたちが帰宅すると、父は茶の間で、家中に響きわたる声で
「ただいま!!」
と言います。(「おかえり」といっているつもり。だんだん細かいことは気にならなくなりました)
すると、それを受けて子どもたちは、大きな声で
「おかえり!!」
と言って家にあがり、じっちゃん(父)と笑顔を交わします。
ある時、父は母を呼びました。
「お父さん!」「お父さん!」(本人は「お母さん」と言っているつもり)
しかし、なかなか母から返事がなく、父がさらに大きな声で叫んだ名前は?!
「ジョナサン!!」
ジョナサン・・・誰???一瞬、フリーズ。そういえば、親戚のお姉さまはアメリカにいて、旦那様の名前はジョナサンです。長身のジョナサンを思い出し、ぷっと可笑しくなりました。
お父さん、天国でも元気いっぱいだろうね。みんなみんな、それぞれの輝きが美しいね。障害があるひとも、そうでないひとも。
これからも、じっちゃんの事を思い出しながらいろいろがんばります!
これからもよろしくね❤
じっちゃんは、みるくさんたちに囲まれて幸せだったなぁと感謝してますよ~(^^♪
私は、発達障害者です。自閉症スペクトラムです。
手話の先生の動画の紹介
YouTube【学校コワイ、手話読み】発達障害絵本を手話で表現されています。
作者のよつばもこさんは、サイコーのおとうさんという絵本も自費出版されています。よつばもこさんのFacebookの転載
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よつば もこさんの自己紹介
絵本作家ではないのですが、小さな絵本を2冊、自費出版しています。想いだけはめいっぱい込めて。たくさんのご協力を得て。
2012年に作った『学校コワイ』はA5の大きさ、発達障がいがテーマ。
(株)フロム・ア・ヴィレッジさんで購入していただけます。
http://from-a-village.com/
『サイコーのお父さん』は2013年に友達家族の応援のために作ったミニ絵本。2015年に郵便絵本として増刷しました。定型封筒の大きさでそのまま郵便として送れます。
http://form.os7.biz/f/5e30f06f/
「誰もが思いを持っていて、回復する可能性がある」ことがあたりまえになる世界を目指す『白雪姫プロジェクト』を応援しています。
http://shirayukihime-project.net/
↑↑↑↑↑転載ここまで
白雪姫プロジェクトとは、指談ユビダンのことです。
私の父ももうすぐ完全に倒れます。倒れたあとのことがイメージ出来ました。
優しいブログ記事。ありがとうございます。
リモコンの手話はジェスチャー手話なので親御さんの様子、テレビに向けての目線とか指さきの動きとか、全身で表す気持ちを読み取られたんだなと思いました。先入観のない純粋なお孫さんならではの読み取りだなと納得。
てのひら言葉、手話にも興味もってくださるといいな。
ギガベリして、制限なりました。おわり。
「サイコーのおとうさん」調べてみました。
当時のわたしたち家族にも重なります。わがやの亡くなった父は、ひらがなや会話は分からなくても、「漢字」と「歌」だとコミュニケーションができることが後でわかりました。
「ともだちがくるよ」と言葉で伝えても分からない・・けれども「友人来宅」と紙に書いてみせると、ほ~と笑顔で理解する父。懐かしく思い出しました。
どうか、お父さまとの日々に、神さまの愛と光がありますように。(クリスチャンでなく少林寺拳法をやってたわたしですが*^^*)
よつばもこさんの下記のインタビュー記事(コピペ)にも、うなずきました!ヨガでは休む時間があり、とても大切に案内しています。
ありがとうございます。↓↓↓
「がんばる」とか「一生懸命」とか[努力」と同じぐらい、 人間が生きていく上で睡眠も休養も大事であること、教えそびれていませんか? ことばにしないと伝わっていないことも多いし、 睡眠や休養に罪悪感を持っていることもあり、充分に休めていないこともあります。 身体や心や脳を休める方法を知らない場合もあります。 本人自身の特性から、自分の身体や心の状態に気づきにくい場合も多いです。
私も知識と理解が足りなかった過去を反省しつつ、今からでもできることをやるしかないと、 その子に伝わる方法や言い回しで、きちんと伝えていくこと…その積み重ねに日々努力中です。 引っかかっている原因が見え、うまく伝わった時は、嬉しい!そんな連続の毎日、楽しいです♪